学科紹介
1952(昭和27)年4⽉、⽶沢市⽴の短期⼤学設置にあたって設けられた「⽬的・使命」に「本学は⾼等教育の基礎の上に婦徳の涵養を主眼として⼀般教養を深めると共に、実際的に必要な学術技術を教授研究する⼆ケ年の完成教育を施して指導的⼥性を育成することを⽬的とする」とある。この開学時における家政科、被服別科に「中学校家庭科教諭⼆級普通免許状」「⾼等学校家庭科教諭仮免許状」の教職課程を設置したのは、社会における「指導的⼥性を育成すること」という⽬的を達成するための具体的な⽅法の⼀つであった。
後にこの「⽬的・使命」は「学則」となるが、そこでも「有能な社会⼈を育成すること」とあって短⼤設⽴時の精神は継承されている。
1956(昭和31)年4⽉に国語科(1970(昭和45)年から「国語国⽂学科」)が増設され、「中学校国語科教諭⼆級普通免許状」の教職課程が設置され、短⼤は1963(昭和38)年4⽉に、⽶沢市から⼭形県に移管された。
1970(昭和45)年4⽉に「⼭形県⽴⽶沢⼥⼦短期⼤学」と名称を変更、1984(昭和59)年4⽉には英語英⽂学科、⽇本史学科をそれぞれ開設、「中学校英語科教諭⼆級普通免許状」「中学校社会科教諭⼆級普通免許状」の教職課程が設置され現在に⾄っている。
所謂、⾼度経済成⻑期においては、⼥性の社会進出の具体的なあり⽅の⼀つとして、短期⼤学で取得した教職資格をもって教育現場に⽴つという道が拓かれていた。
しかし、⾼等教育機関への進学者数の増加とそれに伴う教育環境の整備、教員免許状取得者の数値的な増加、4年制⼤学への⼥⼦の進学率の増⼤など様々な要因によって、短期⼤学で取得する⼆種免許状による教職への就職は、現実的にはほぼ閉ざされているのが実態である。
そうした状況にあって、本学がなお教職課程を重要な教育課程の⼀つと位置付けている理由は、開学以来掲げてきた、有能な社会⼈としての⼥性を育成するという教育⽬標に⼤いに資するものがあることを確信しているからに他ならない。
現状において教職資格取得者の多くが4年制⼤学への編⼊学を果たしており、編⼊学後に⼀種免許状を取得して教壇に⽴つ者も多く存在しているが、これは、幅広い観点から捉えた場合の教職課程の存在意義を別な形で⽰すものとも⾔えよう。
また、教職以外の形で社会⼈となる学⽣にとっても、教職課程を履修することの教育的な意義と社会におけるその価値は⼗分にあるものと思慮する。
教育実習という、⼀種のインターンシップを経験することは、より深い形で教育現場のあり様を知っている社会⼈となることでもあり、地域に貢献する際の⼤きな財産を有することにも通じている。教職課程で学ぶ専⾨科⽬は、教師のみに閉ざされる狭い世界ではまったくなく、⼈としての教養をより⼀層奥深いものにする内容を含んでいる。
こうした教職課程の、謂わば裏⾯に秘められた別の新たな可能性と教育的な意義を確信し、今後も社会に役⽴つ有能な⼈材育成の⼀環として教職課程を充実させることが、本学における教職課程の⽬標である。
国語国⽂学科においては、中学校教育課程における「国語科」の存在意義について深い理解を持ち、豊かな⽇本語の運⽤能⼒を⾝につけ、それを教授するために必要な具体的な⽅法論を学ぶことを通じて、教育のあり⽅や社会における「国語科」の意味を習得することを⽬標とする。
英語英⽂学科においては、中学校教育課程における「英語科」の存在意義について深い理解を持ち、国際社会における⼈材の育成に資するための基礎的英語能⼒の向上のために必要な教養と専⾨知識を⾝につけ、社会における「英語科」の意味を習得することを⽬標とする。
⽇本史学科においては、中学校教育課程における「社会科」の存在意義について深い理解を持ち、実証的な学習によって培われた豊富な知⾒を活かすことによって、教育のあり⽅や社会における「社会科」の意味を習得することを⽬標とする。
本学では、国語国⽂学科、英語英⽂学科、⽇本史学科にそれぞれ教職課程を設置し、各学科で取得可能な中学校教諭⼆種普通免許状に対応した教員養成教育を実施している(具体的なカリキュラムについては、「履修と学生生活の手引」参照)。
なお本学では、教育学の専⾨教員を、短期⼤学設置基準で定めている以上の2名を配置しており、教員養成教育の組織としても⼗分な体制を構築している。
⼭形県⽴
⽶沢⼥⼦短期⼤学━┳━国語国⽂学科・英語英⽂学科・⽇本史学科
┃
┗━教職課程委員会━┳━副学⻑
┃
┣━教務委員⻑
┃
┣━教職関連科⽬担当教員(2名)
┃
┗━教務学⽣課
教員免許状(中学校教諭⼆種:国語・英語・社会)取得には、卒業の要件を満たす必要があることから、本学の教育にかかわるすべての教員82名(⾮常勤含む)が教員養成教員にあたることになる。以下では、このうち教育職員免許法別表第1および教育職員免許法施⾏規則第6条に規定される「教職に関する科⽬」の担当教員を紹介する。
職位 | 氏名 | 所属 | 担当科目 |
---|---|---|---|
教授 | 石﨑 毅 | 本学 | 発達と学習、特別支援教育論、教職実践演習(中学校教諭)、中学校教育実習、事前・事後指導(中学校教諭) |
非常勤講師 | 髙橋 永行 | 国語科教育法(国語国文指定)、教職実践演習(中学校教諭) | |
教授 | 北山 長貴 | 本学 | 英語科教育法(英語英文指定)、教職実践演習(中学校教諭) |
教授 | 吉田 歓 | 本学 | 社会科教育法(日本史指定)、教職実践演習(中学校教諭) |
准教授 | 村瀬 桃子 | 本学 | 教職概論、教育原理、教育の制度と教育課程、教職実践演習(中学校教諭)、中学校教育実習、事前・事後指導(中学校教諭) |
非常勤講師 | 安倍 啓司 岩本 宏幸 |
特別活動・総合的な学習の時間 | |
非常勤講師 | 棚村 正 | 道徳教育論、生徒指導・進路指導論 | |
非常勤講師 | 篠田 伸夫 | ICT活用の理論と方法 | |
非常勤講師 | 花屋 道子 | 山形県立米沢栄養大学 | 教育相談論 |
(人)
学科 | 教科 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
---|---|---|---|---|---|
国語国文学科 | 国語 | 18 | 11 | 9 | 12 |
英語英文学科 | 英語 | 3 | 5 | 7 | 7 |
日本史学科 | 社会 | 9 | 7 | 11 | 8 |
計 | 30 | 23 | 27 | 27 |
(人)
学科 | 教科 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
---|---|---|---|---|---|
国語国文学科 | 国語 | 1 | 1 | 1 | 1 |
英語英文学科 | 英語 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日本史学科 | 社会 | 1 | 0 | 0 | 1 |
計 | 2 | 1 | 1 | 2 |
本学では、教員養成教育の質を向上させる取り組みとして、単位認定の適正化を⾏うとともに、学校現場における体験活動・ボランティア活動等を推進しています。
項⽬ | 時期 | 内容 |
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⼦ども⼤学 | 令和6年8⽉ | 飯豊町との共催で「いいで⼦ども⼤学」を2⽇間にわたり実施しました。⼩学⽣を対象とした諸活動、模擬授業、⼤学案内等を⾏い、普段とは異なる「学びの場」を提供しました。 |